レイアウトプランの話
どうもどうも、微々たる速度でしか模型が進んでいない今日の此の頃
、所用で寄居へ行っていました。
普段は車で移動していますが、話に拠ると101系もそろそろ置き換えらしいので、わざわざ秩父鉄道を使いました。熊谷~寄居の運賃が¥560もするのに、まずはビックリ。次に101系の隙間風の酷さにビックリ。走りはまるで、いにしえの旧国のようで、うん、まさしくローカル私鉄だよね、と妙に納得してしまいました。
今の世の中、101系は完全に旧国扱いでしょう・・・。それにしても、車両以外のシュチュエーションはほとんど変わっていない気がしました。前回秩父鉄道を利用したのは、たぶん10年前くらいかも?(汗)。
さて、庶内レイアウトは改修宣言をしたまま放置プレイ中です(汗)。
そんな中、初代:庶内レイアウトを製作中に書き残したプラン図が出てきましたのでお披露目します(笑)。その昔TMSに記事を書いた時に、プランの変遷を文章のみでグチャグチャと書き記しました。その話の元になったのが、今回のプラン図です。最初の計画からどのような変遷があって、最終的に落ち着いたのか?をご覧戴こうと思います。レイアウトプランの好みは人それぞれですが、少々お付き合い下さい。
始めに結論を書いておきますけど、
最初に作るレイアウトプランならばトコトン欲張ろう!ですね
当然ながら「炭鉱鉄道」を目指しています。これらのプラン図はカード式になっていまして、書いた日付やら、どんな車両を動かすか?やら、どんな設定にするか?やらが、裏に細かく書き込んであります(苦笑)。設定には全く変化がありません(爆)。改めて読んでみると、蒸機時代~内燃化~客貨分離まで設定が書いてありました
元々「阿寒鉄道」のプランを参考にレイアウトを作り始めた事はご承知の通りです。でもあのプランはスッキリしすぎて、当初は物足りない思いがありました。そこで、いろいろと好きに付け加えたのがコレです。
まずは平成9年4月13日の時点でのプランです。
一応、お判り頂けないかもしれませんが、これは「阿寒」+「城新」の結果です。ここで城新が出てくるところが古いですネ。このプラン図を見る限り「城新」の元になった「三津根」の方が近い気がします(でも参考にしたのは、城新:爆)。駅に機回しをつけて、更に機関庫やら留置線を加えて、しかもホッパーへは専用の引込み線をつけています。阿寒の目玉だったカーブポイントは一部分に留まり、肝の外部への引き上げ線も、中途半端な位置から無理やり分岐しています(スペースが無かったんですよ)。この時点では、まだ手前側が駅になっています(画像下側が手前)
これは平成9年8月25日の時点です。
注目すべき事は、外部への引き上げ線が最初の計画と逆になっている事です。可能な限りカーブポイントを使い、且つ機関庫からの引き上げ線を本線と分離する、より阿寒鉄道のコンセプトを強く引き継いでいる事が判ります。じつはこの段階で台枠と路盤の製作を始めています。正確には路盤の切り出し直前の、ベニア板に原寸でプランを写して、実際にポイントを仮置きしながら、車両を並べての「現物あわせ作業」です。
そうなると見えてくるのが「駅構内の有効長不足」と「機関庫及び留置線の不足」です。やっぱり、レイアウト上に車両を全て並べて、入換やら運転を楽しみたいですよね。でも並べてみると、留置線は17m級客車2両だけで接触限界を超えるし、駅構内の機回し線も9600で有効長ギリギリになってしまう。さらには「風景を上手くまとめられないじゃんorz」。
そんな現実問題を否応無く突きつけられました。因みに駅構内のプランやシーナリィーには「南大夕張」のイメージを詰め込んでいます。そう見えないかもしれませんが、南大夕張です
でっ、ここで一旦「頓挫」してます
ところで「国鉄香春線」ってご存知ですか?TMS1975-7に載っているレイアウトです。驚くほど単純なプランながら、絶妙なシーナリィー構成が秀逸なレイアウトです。あの潔さを越えるレイアウトは今でも無い!と言い切れるほど優れたレイアウトだと思っています。
希望を盛り込む事が出来ないのが現実ならば、潔く取捨選択をすべきである。
本当ならば「その時には、元のプランに固執すべきでは無い!」と声高らかに宣言したい・・・のですが、まぁ全てゼロから始めるのは辛いです。元のプランを引きずりながら、引き上げ線から先に伸びる外部セクションに、留置線やら機関庫を移そうと考え直してできたのが、右のプラン図でした。この時点で、正式にプラン図の前後が逆になり、図の左側が手前になっています。ホームの位置とポイントの位置だけ最終案とは違っています。
なぜか?これだけは封筒の裏を使った鉛筆書きで、更には紙が焼けてしまって、ひじょうに見難いorz。
えぇと、ご勘弁を(陳謝)。
この鉛筆書きのシーナリィー案と、実際に完成したシーナリィーとは、比較するとお判りの通り、かなり異なっています。要は「シーナリィー構成」でもう1回ほど紆余曲折がありますが、プラン自体に変更は無かったので、その辺は流しましょう(笑)。
とりあえず、希望を詰め込めるだけ詰め込んで、原寸大のプランを書いてみて、計画が頓挫したならば、潔くゼロからやり直すのも一興かと、これらのプラン図を見ながら思い返しています。
そう、新プラン頓挫しかかっています
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Comments
こんばんわ。
久々にTVを見ていました。某作詞家と某公認会計士が「予定調和」という切り口で対談していたのですが。。。。
ふと思うと、レイアウトも車両工作も予定調和に向かって流れていきますね。画期的なものが生まれるとしたら?それを崩すしかない?なんて事になりそうです。
鉄道模型ってTMSが作った?模型とはこうだ!という路線でやるという「形」が決まっているようにも思えました。
とは言っても、それから脱却するのは凡人にはなかなかできる事ではないですね~。
Posted by: ほお次郎 | 2010.05.13 23:06
ほお次郎さん、こんばんは。
「予定調和」って何だっけ(?_?)と、検索してしまいました(笑)。何かあったデスカ???
例えばその昔、鉄道模型もディスプレイモデルがあっても良いじゃないか?って話がありました。私の方向性とは違いますが、別段あっても好いんじゃないの?と思います。

車両単体の機構美と言うか機械美をトコトン追求すれば、当然モーターを入れて動かす必要もないし、或いは塗装する必要も無いと思っているんですけど、なかなかそういう方は表には現れませんね
今は誌面の影響って少ないと思われますので、是非!現状打破を目指してください
Posted by: みのる | 2010.05.14 00:30
プランを検討する過程は大変興味が有ります。雑誌などに掲載されているものは、大半が「結果」だけなので、どう考えて、まとめていったのかは、やった人のみが知るところとなっています。阿寒鉄道(初代、2代目のHLをつくろう)の記事は、数少ない「どう考えたか」を垣間見ることが出来る良い記事です。そんなわけで、自分自身も「どう考えたのか」を出来るだけ記録するようにしています。弊サイトでも、恥ずかしながら「途中報告」として、それを試みています。
それでもって、早速行き詰まっていたりするので笑ってしまいます。それと、日本型のレイアウト用品がまだまだ少ないので、手の遅い私など困っています。橋梁あたりは、海外製品も全く違和感無いのですが、トンネルポータルで良いものを入手出来ていません。どなたか、良いものをご存じ無いですか?
「国鉄香春線」・・・なつかしいですね。かなり割り切った線路配置で、当時びっくりしました。なんせ、駅を出発した列車は、途中でバックしないと駅には戻れないのですから・・・
でも、今ならこの割り切りを感服するようになってきました。もっとも、ここまで割り切ったプランは採用していませんが!
PS
この号にはトラ9000の制作記事が掲載されていますが、前編だけで6ページも有る大作です。貨車1両にこれだけのスペースを充てるのもスゴイと思います。
Posted by: 廣瀬 | 2010.05.14 02:50
なるほど、「レイアウトにも歴史あり」ですね。
レイアウトって、作り始める直前までは結構凝ったことを考えるのですが、実際にレールを敷設してみると「あれ?これでは走らないぞ」とか「脱線ばっかりするし」で、いつしか違うプランになっていたりしますよね。
私もそろそろ地面モノを・・と考えていますが、とりあえずシンプルなもので「まずは始めてみよう」みたいな感じで案を作成中です。
Posted by: ム | 2010.05.14 10:46
こんばんは。
廣瀬さん、あのトラ9000の記事は今でも通用しますよね。
香春線をご存知なのは嬉しいです
。
スイマセン(泣)。
あの駅への引き込みも例えばスイッチバックの駅のような配線にすると、目立たないかもと思う反面、シーナリーのまとめ具合が変わってしまいますので、難しいです(^^;。
トンネルポータルは・・・上手い製品を知りません
例え行き詰っても、実際に板の上で線路を仮に並べてみながら、しばらく時間を置くと、意外な解決方法が見つかるかもしれません
ムさん
レイアウトのプランや要望に合わせて、スペースが取得できれば好いですけど、実際にはスペースがあって、それに合わせてプランを押し込むので、どんどんプランが変わりますね(笑)。悩んで行き詰って、プランを左右逆にしたら、上下逆にしたら、キレイに収まった!って場合もあります
Posted by: みのる | 2010.05.14 20:17
こんばんわ。
当たり前のようですが、やっぱり設計って共通なんだなぁって皆さんのレスを見て思いました。(^^)
変な表現ですが、自由にスペースを使って自由に設計してよい!と言われた多分できる人は殆ど居ないんじゃないかなぁと思います。いろいろ制約があってからこそ、それにあわせたプランができる訳でして。制約=決め手なのかもしれません。
予定調和。別段何もありません。(^^;)TVを見ていて、そういう考えもあるんだぁってちょっと新鮮だっただけです~。
話変わって、秩父の電車。東急の8500が入ったみたいですね。かなり新しい?電車なので、驚きました。って言っちゃいけない?(笑)あの下膨れ気味?の裾カーブはなかなか良いと思うのですが。。。。。
Posted by: ほお次郎 | 2010.05.15 04:14
ほお次郎さん、こんばんは。
う~ん(^^;、同じですかねぇ(苦笑)。エンドレスにした時点で、どうしても似てしまいますし、影響を受けたプランを重ね合わせてしまうから、似ますよねぇ。
レイアウトを作る時に最初に考えるのは収納すべきスペースですから、たぶんスペースが一番の制約ですね。うちももっとスペースがあればorz。Nゲージ換算900×600ですぜぇ
秩父鉄道
東急からの車両でしたっけ?何か新車が入るらしく記念品を売っていました。101系しか見ていなかったので忘れていました
Posted by: みのる | 2010.05.15 23:08
こんにちわ!
設計って基本は真似からです。で、ベースを自分なりに消化して反映する事かなって思います。そうして、もっといい設計になっていればOKなんですよ~。実はちゃんと考えてないと、単純に真似する事すらできないです~
秩父の思い出。
C58+旧客時代ですが、わくわくしながら当日の朝、早めにホームで待っていたら。。。。。入線のアナウンスと共に現れたのは青いELでした。え?何でELなのぉ??
と思いつつ、よーく見たら、後部にC58がぶら下がっていました。まさかそのELが終点まで付いてくるとは思いませんでした。(笑)
Posted by: ほお次郎 | 2010.05.16 14:44
こんばんは。
>秩父のSL列車、
そう言えば今は客車も12系ですね。先日も側線に止まっていました。確かELも客車と同じ色に塗って「専用」になっていましたね。
様変わりです
Posted by: みのる | 2010.05.16 22:19
レイアウトプランで、他に記憶に残るものは「三江鉄道」です。TMSで'71年5月号ですが、Nゲージレイアウト2に再録されています。Nで1200x930ですのですが、小型の「本格的」レイアウトです。古典機をスクラッチされる作者である平石久行氏の作品だけに、前自作ストラクチャーにハンドスパイクの力作です。もちろん憧れましたが、当時小学生だった私には、雲の上の話と悟りました(今から思えば、宇宙の果て)。40年経過した今でも参考になります。
Nと云えども、このサイズでは「実物のまま」には線路配置が出来ないことを思えば、1/80では、相当思い切ったデフォルメが必要な事は明白ですね。しかも最急カーブはR270を使っています。しかし、それを目立たせない優秀なプランです。
なお、この号の製品の紹介には、マイクロキャストのプラDD13が掲載されていました。私がNから16番に転向する決心をさせてくれた製品です、「この価格で機関車が有るなら・・・」と。もっとも、入手したのは、ずっと後の高校を卒業する頃('78頃)なのですが・・・今でも、動力を更新して健在です。
Posted by: 廣瀬 | 2010.05.17 02:04
廣瀬さん、こんばんは。
TMS71-5は残念ながら持っていませんが『Nゲージレイアウト2』で三江鉄道を見ました
スゴイです(@@;。情熱を感じました。
私は、コチラと似たようなプランで、ナローのレイアウト「倉沢軽便鉄道」(TMS79-2)に惹かれました。古本屋で『レイアウトモデリング』を買って、沼尻に惹かれた時期と重なるので、大変よく覚えています(笑)。
マイクロキャストのDD13は71年だったのですねぇ(驚)。
Posted by: みのる | 2010.05.17 20:26
マイクロのDD13、私も所有しています。
DCC+サウンド化しています。
http://choco-choco.cocolog-nifty.com/chocochoco/2008/week18/index.html
サウンド化するために、輸出型DLの動力装置ではダメで、パワトラ化(台車は日光の住友型)してあります。
手すりも新規に取り付けてます。
結構苦労しましたが、車体のディテールが良いので面白いですね。
Posted by: ム | 2010.05.18 15:11
ムさん、こんばんは。
さすがにマイクロキャストのDD13はお持ちですね
因みに、エンドウのDD13は持っています(中古を購入:笑)。炭鉱鉄道仕様に改造しようとして、塗装をはがし、バラバラにした状態で止まっています
。ワムの片上鉄道改造パーツを手に入れたので、そろそろ組み立てないといけません(遠い目)。
Posted by: みのる | 2010.05.18 23:52
「倉沢軽便鉄道」ですか。。。良い感じですね。
リバースとエンドレスの組合せは、やはり機関車列車を前提とすると、好ましいですね。1000x650の小スペースなのに、広々としたイメージの駅を配したセンスは秀逸です。
しかし、こういうレイアウトの場合、運転は当然「駅側」に座って行うのでしょうけれど、エンドレスで周回しているときは、半分以上トンネルの中だし、視線を低くすると、向こう側の線路は見えなくなります。どうも「音はすれども姿は見えず」は、好きにはなれません。やはり、エンドレス周回の時は手放し運転で、まわりから見物するのでしょうか?それなら、楽しいかも。
どうも私は、列車をずっと眺めていたい、と云う願望が強いようです。みのるさんのプランは、その点「列車が良く見える」プランに思いますが、いかがでしたか?
とは言え、弊サイトで計画中のプランは、ちょっと線路を見せすぎかもしれませんね。しかも、ほとんどが駅・引き込み線で、本線と呼べるもので見えるのは、1.5mぐらいです。総線路延長の1割も有りません、ヤードも無いのにです。これでは、線路がうるさいのかな??
Posted by: 廣瀬 | 2010.05.19 00:54
廣瀬さん、こんばんは。

>倉沢軽便鉄道
運転ポジションは駅側ですけど、レイアウトの前後で風景を変えるのは、小スペースプランの定番ですから、たぶん周回している時には手放しであっちこっちへ移動して見物するのだと思います。どちらかと言えば、軽便祭などの展示向きな「見せるレイアウトプラン」のような感じを受けます
「音はすれども・・・、」も、このプランの場合は仕方がありませんよね。周回部分の半分がトンネル内ですから「見えない・・・」と気になったかもしれませんが、音が近づいてきて、列車がトンネルから出てくる風景は楽しいですよ
この辺は、たぶん色々な考え方があると思います。
庶内鉄道レイアウトの場合は、「奥の駅を出てから次のトンネルに入るまで」を1つの風景の流れとして考えていました。元ネタは確か摂津鉄道にあったように記憶しています(笑)。大きなサイズの組立式レイアウトとは違って、運転ポジションから全ての風景が一望できてしまうサイズの庶内レイアウトでは、実車のように「向こうから来て、目の前を通過して、あっちへ去る」感じを出す為に、トンネルで隠す部分と、列車が見える部分を意識的に分けました。プラン右手に木を植えて、走る車両を見え隠れさせたのもその為です。まぁ180度回って来るのは変ですけど、その辺はご都合主義で
目線を落とした時に、一瞬でも列車が見えなくなると、エンドレス運転の不自然さは軽減されると思っているのが私個人的なルールでしょうか。前にも少し書きましたけど「目の前を走り去る列車を眺める」のが好き
ってのが理由ですね。
ですから、運転をどう楽しみたいか?でプランも風景構成もかなり変わってくると思います
。
Posted by: みのる | 2010.05.19 02:54